ナナカマド


 こんにちは、ナナカマドです。現在は離れたところで暮らしていますが、以前は子どもと一緒によくえるふに通っていました。ゲド戦記や指輪物語、サトクリフなどのファンタジーが大好きです。これから、本やお話を楽しみながら子育てしている日々の、あれやこれやを綴っていけたらと思います。

 我が子は本を読んだり、お話を聞いたりするのが好きなので、家でも毎日、読み聞かせをしています。小学校に上がってからは、読んでやるお話の文量がどんどん増えていく一方で、大変ではありますが…。
 ところで、子どもが通っている学校は、ちょっとユニークな教育内容をしています。その学校では、小学2年生になると、国語の学習の一環で、動物寓話と聖人伝を学ぶ授業があります。2年生くらいの年頃になると、子どもの中に段々とずる賢さが出てくるとのこと。そのため、その年頃の子どもは、人間の弱さをユーモラスに語ったお話と、その反対に人間の善なる姿を示すお話に親しむとよいとのことでした。人間の善と悪を両極で学ぶわけですね。

 というわけで、学校で動物寓話と聖人伝を学んできた子どもと一緒に、我が家でも、イソップ物語やジャータカ物語、いろいろな聖人たちの伝記などを読んでいます。私は、教訓的なお話はどうも苦手で、この手のものは今までほとんど読んできませんでした。でも子どもは、動物たちの愚かな行いにニンマリと笑ったり、聖人たちの謙虚な姿勢に驚いたりと、お話に心を動かして楽しんでいます。
 普段、生活の中で、つい口うるさく子どもを叱ってしまうこともあるのですが、子どもにお説教を一つするよりも、こういったお話を一つ読んでやる方がずっと子どもの心に響くような気がしました。

 イソップ物語は、読んでみると、わりと知っているお話がたくさんありました。ジャータカ物語は、今回初めてその存在を知りました。お釈迦様が前世で動物や別の人間だった頃の話という、物語設定がすごいなと思います。岩波少年文庫版では、教訓が短い詩のような形で書いてあり、節をつけて読むとあまり説教くさくなりすぎないので気に入っています。

 聖人の伝記はいくつか読みましたが、生き物好きな我が子は、鳥やオオカミとも心を交わしたというアシジの聖フランシスコの伝記が一番親しみやすかったように思います。私はついでに、聖フランシスコのお話が元になっている「ブラザー・サン シスター・ムーン」という映画(1972年)も見てみました。お金持ちで、人からも好かれていた青年フランシスコが、自分の名誉や財産を捨てて、自然を愛し、貧しさの中に暮らす姿は、現代に生きる私にもいろいろと考えさせられました。映画を見終わった後は、少し、人と自然に優しくなれた気がします。

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