銀杏の切り株


 近所の銀杏の木が9本あっというまに切り倒されてしまった。あまりきれいな姿の木ではなかったけれど、大きな木が切り倒されてすっかりなくなってしまうのは残念だ。銀杏はなんといっても落葉のとき、迷惑がられる。 落葉は腐らないし、雨が降ると気をつけて歩かないと滑る。近所の人には困りものだ。ギンナンでも(小さいのはだめ)なれば喜ばれるのだろうが、どうも雄木ばかりとみえて、ギンナンが成ったのをみたことがない。 ただ、私は新緑の時の銀杏の木が好きだ。小さな赤ちゃんの握りこぶしのような葉が枝につく。とてもかわいいし、春だなぁという気分になる。 銀杏は一度絶滅したというけれど、太古から身近にあった木だ。 3日後、切り株に土がこんもりとかぶせてあった。 知識がないけれど、ひこばえがでてこないだろうか。 人間の勝手で木がどんどんなくなっていくのはさびしい。 ところで神宮の伐採はどうなっているのだろうか。 すっかりニュースにのらなくなった。

もともとこれは一枚の葉が
二つに別れたものでしょうか
それとも二枚がむすばれあって
ひとつに見えるものなのでしょうか
ー ゲーテ作 木々を渡る風 小塩節 ー より


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