5月光の月、そしてバラの季節です。
今は一年中咲いているバラもありますが、やっぱり5月です。このたくさんのバラは一年に2回くらいもってきてくださるお客様からのものです。昔からのお客様で、いまこそ子どもたちがもう大きくなったけれど、小学生の頃は良くいらっしゃいました。山男です。もう引退して子どもも大きくなったからとおっしゃって庭にバラとチューリップをたくさん植えて育てていらっしゃいます。昔、なんの気無しに友人の話をして、その友人がバラが好きだったとの思い出話をしたところ、それから毎年5月になるといただきます。その友人は学生運動の時の仲間で、亡くなりました。バラが好きということになると母も好きでした。母の場合は加藤登紀子の百万本のバラの歌が好きで時々口ずさんでいました。ただ本人は庭いじりはしない人で、庭いじりというよりこまごました家庭的なことは嫌いな人でした。手芸はだめ、料理もすきでない、人の面倒見が良くて専業主婦にはあまりあっていない、学校の先生などだったら、適任だったのにとおもいます。私とはうまがあわない、どちらかというと教育ママにちかかったので母とのあまり良い思い出はありません。それに弟を偏愛したので、正直私はむくれてばかりいました。もし、現代で生活したらしっかりした職業をもった人になって活躍
したのにとおもいます。難病で亡くなってしまったのですが、今になって私ももう少し仲良くできたのにとおもいますが・・・。毎年母の日が来ると母のことをおもいだします。(でも普段は思い出さない親不孝?ですが)部屋いっぱいバラのかおりをかぎながら、ちょっぴり感傷的になりました。
くれないゐの二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨のふる 正岡子規