えるふ講演会


「しかばねの物語」の編・訳をされた星泉さんのお話を伺いました。資料で見せていただいた挿絵の屍と私の持つイメージに驚き、この物語の仕掛けに驚き、チベットの昔話の伝播の有り様に驚きと刺激的な時間でした。この物語は枠物語という形を取るのですが、外枠では仏教的な思想を滲ませるも、内側の屍の語る話は・・・
 チベットの社会的状況には計り知れない厳しさがあるのですがチベット民族の誇りと強さを感じます。
世界を見渡せば戦闘状態があちこちで継続しており、チベット人の命を賭した抗議活動のお話も伺いました。
固有の文化を持つ人々の暮らしが保障されて自立出来ることを願うばかりです。
そして日本でチベット語を学ぶ学生さんを星先生が教えておられるとのこと、言葉の難解さもある様ですが、学生さん達がそこを克服して、いずれ文化の架け橋になって下さると良いなと思いました。

岩田奈津子

 演題: チベットの昔話を訳して
「しかばね物語}訳者 星原(ほし いずみ)さん (東京外国語大学教授)

 まず、はじめに本書の冒頭の「旅のはじまり」を朗読してくださいました。「しかばねの物語」は、インドの枠物語の中の一つである「屍鬼二十五話」が元となり、たくさんの人々が翻訳に翻訳を重ねて世界一周して日本にやってきたそうです。

たくさんの貴重な資料も手に取って見ることができました。チベット語のまんがもありました。

 アメリカに渡ったこの物語は、戦争中の日本に「チベット民話 シヂ・クルと八つの物語」としてやってきました。似たような挿絵も見られます。

令和5年12月18日

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