遭難？
「むこう岸」で話題を集めた安田夏菜の新刊です。普通の高校生3人が鎌月岳（標高1712メートルロープウェーあり）で遭難。もちろん3人とも思ってもみないことだった。坂本美久を中心に河合愛里紗、川上由真15歳、坂本美久は大好きだったじいちゃんが死んで、約束していた槍ヶ岳に登ろう、そのために登山部に入ったけれど自分には向かないとそうそうに退部届をだした。そのかえり河合亜里沙に声をかけられる。美久とは同じマンションに住んでいる。母親はいわゆるシングルマザーだ。さいきん乳がんが見つかって亜里沙は不安になっている。川上由真は両親が離婚、
再婚したパパさんとの間に双子の妹がいる。いろいろ事情は抱えておまけに受験期、その思いをふっきりたいと思っている。普通にすごしてと思っている3人が道に迷って遭難6日間、死と背中合わせで過ごしたことが順にプロローグに書かれている。3人の感情はもちろんのこと、状況がリアルに書かれていて、おもわず読み手はそのなかのひとりのように、絶望したり、わずかな希望をもったりしながら読み進む。もちろんスマホを持っているから現代っ子の三人は大丈夫とおもう。食料もちゃんと持ってきた。野宿はどういうものか知らない、冬ではないので寒さに対しても無防備、そして幻覚、ともかく運が良かったとしか言えない状況。時々描写されている山のすばらしさ、私も父に連れられて登山したことがあるけれど、頂上でご来光を仰いだ時の感激は一生わすれられない。作者は3人を変わる変わるに描写しながら、生きることの愛おしさと命の価値をみごとに描いている。最後に「山で遭難しないために」という付録があるけれどこれもたんなる登山にたいするアドバイスではなく、自然に対する真摯な気持ちが書かれていて必読。
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「6days 遭難者たち」安田夏菜 講談社刊 本体1500円（税別）
なんでもさわって
なんでもさわってみる。口にいれてみる。匂いをかいでみる。自分の存在と他のものとを認識する。とても原始的だけれど生きていくうえで大切なこと。くまちゃんに抱っこ、ふかふかねこもすべすべ抱っこ。砂場では歩いてみたらしゃくしゃく、ざらざら。世界をさわってみよう。抱いてみよう。匂いをかいだり。コロナで嗅覚がやられてしまった人の話、とてもあじけなくつまらかったとのこと。現代は見る、聞くであふれていて、ほんとうに私たちは感じているのだろうか？時々子ども、あかちゃんにかえってみよう。うれしい。楽しい。地球は全部私のものだよ。ふかふか、もこもこ、くにゃくにゃ、にょろにょろ・・・自然はいつでもあなたのそばにある。
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「ふかふかぺたぺた」こどものとも0・1・2 10月号
杉田比呂美 さく 福音館書店 刊 本体418円＋税10％
あなたのゆめは
華やかなというより希望に満ちた夢。あなたはちいさな女の子。ちいさいけれどたくさんの夢をもっています。たとえば小さなお庭をもっていたらおはなもはっぱもねっこもたねもまるごと私の心の夢。「ちいさないもうとがもしいたら、うたとなまえをつけましょう うたはわたしのやさしいメロディ おさんぽしながらうたいます。」わたしに小さないもうとがいたら、お散歩しながらうたいます。🎶なんてうれしい！精密に華麗に描かれた絵本です。小さな子どもの夢いっぱいの絵本です。第30回いたばし国際絵本翻訳大賞受賞作品
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「ちいさなゆめがあったなら」
ニーナ・レイデン:文 メリッサ・カストリヨン:絵
よしざわたまき:訳 山烋のえほん刊 本体1800円＋税
たまごみっつけた
わたしのうち、2羽の鶏がいるの。おいしい卵を産むの。おばあちゃんにめだまやきが食べたいといったら、残念1個しかないので、探しにいきました。サラとジョウジがうたいます。🎶さがしてごらん。でもみつかりません。こやにもまきのそばに見つけたのも残念、ボールでした。あちこち探してふたりは、おなかがすいて庭でねっころがりました。あっ！あった。おばあちゃんがつくってくれた目玉焼きはとびきりおいしいめだまやきでした。文・絵モンゴルの二人が描いています。華やかな装飾的な絵、ふたりの女の子と二羽の鶏、おもわず二人と一緒に歌いそうな絵本です。
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「おいしいめだまやき」こどものとも年少版 10月号
イチンノロブ・ガンバートル 文 津田紀子 訳
バーサンスレン・ボロルマー 絵 福音館書店刊 本体418円＋税10％
さつまいものおもちです
さつまいもがおいしい季節になりました。作者もだいすき、でも、北海道で暮らしていた時に
じゃがいもをおもちのようにつくって食べたことを思い出してさつまいもでつくってみることを考えます。
できた！できた！おいしいさつまいものおもちです。かわで顔までつけちゃった。さつまいもおもちに変身。おいしそう。
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「さつまいももちやけたかな」ちいさなかがくのとも 10月号
平田景 さく 福音館書店刊 本体418円＋税10％