
あたらしいのはらうた
詩集のはらうた
すっかりお馴染みになっています。店にくる子どもたちは「へびいちのすけ」が大好きです。ところでこの絵本にはそれそれの絵がついています。店でなんといっても売れるのは「カレンダー」です。もう毎年のお馴染みさんがいて、11月になると催促があります。また、あたらしい絵がついて出版されました。
あべ弘士さんの絵、力強くて元気が出ます。今までの絵も優しくて楽しくなりますが。版は横長のワイド版、読み聞かせにもいいと思いますが、どう使うかは読んだ方にお任せです。童話屋さんが東京を整理して盛岡に引っ越され、なかなか連絡が不充分ですが、童話屋さん元気です。
「のはらうた絵本」 工藤直子 詩 あべ弘士 画
童話屋 刊 本体1800円+税

諦めない!走れ、走れ未来に向かって
この本は2月も終わろうとしている時に読んだ。ふっと息をついて一気に!この本の子どもたち、16歳のソル、クァンミン、ヨルム3人の子どもたちの願いがひしひしと伝わってくる。3人は自由を求めて、北朝鮮を脱出した。家族との別れ、不安を乗り越えなければならない。それぞれの苦難が順ぐりに描かれている。私は中学の時の同級生を思い出した。彼が朝鮮人だということは卒業間際まで知らなかった。北朝鮮に帰るために新潟に集まってきた人たち、でも帰還は中止になり、もう帰るところがなく、そのまま新潟に住んだ人たちの中に彼はいた。ほとんど喋らず、いつも八の字の眉を顰めて困ったような顔をしていた彼、今どこで何をしているだろう。この3人の子どもたちは自由を求めて、走った、登った、若い脱北者は海にたどり着く。現実はこの小説ではないけれど、彼らの願いは息苦しいほど私を打ちのめした。だからといって私に何ができるわけでもない。ただ彼らの自由に対する憧れを共有したい、諦めない!走れ!走れ!とても感動した。できれば訳者あとがきを先に読んだ方が良いと思った。文中詩を読んでいるようなところがあるのは訳者の力だろうか。
「波の子どもたち」チョン・スユン作 齋藤真理子 訳
岩波書店刊 本体1800円+税