トリチウムは放射性物質だ!


10月1日の朝日歌壇(永田和宏選)に次の短歌が載っていた。
「ミサイルを防衛装備と呼ぶ国が汚染に非ずと流す処理水」土屋進一

紙面に目をやりながら、汚染水は汚染水だ。そうだ!と強い共感をもって読んだ。放射性物質を海に流す権利がこの国にだけ許されると思っているのか。
その8日後、同じ選考欄にこんな短歌が載った。
「正確に言えばこうなる『トリチウム微量残留汚染処理水』岩部博道

微量かどうかは別として、みごとにつながる内容だ。いつのまにか政府、東電、マスコミがそろって汚染水を処理水と大合唱するなか、科学者でもある選者は、完全に無害化できないものを無害であるかの如くいうことに強い憤りを感じていたのかも知れない。
 8月24日、政府は、核燃料(デブリ)に触れた汚染水の海洋放出を強行した。流した汚染水のなかには63種の放射性物質が含まれているそうであるが、多核種除去設備(ALPS)で、トリチウム以外処理できているので、”処理水”だといいはっている。スリーマイル島の原発事故では、市民や科学者などが「対話のための委員会」を組織、13年間で78回の審議を重ね蒸気処理で和解している。カネと権力で人々を強圧するやり方は許されない。


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