新刊のおたより(8月)


おつきみたのしみだなぁ
 台風日本列島のろのろと走っている。お月見どころではないかもしれない。
ともかく暑い夏だった。毎日汗をかいて熱中症にならないかと水を飲み飲みの毎日だった。まだゆだんは大敵だけれど。それだけに秋が短いのではないかと心配しながらお月見をまっている。今年の十五夜は17日、どうか晴れますように。いつもおだんご売り切れてしまうので今年こそは早くゲットできますようにように!ぐぎがさんのようにほんとは作りたいのだけれど。がんばってつくろうかな。そして、ともだちを呼んでおつきみしようかな。もちろんみんなて゛うたうのだよ
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「ぐぎがさん。ふへほさん。おつきみですよ  こどものとも 年中向き 9月号
 岸田衿子 さく にしむらあつこ え    福音館書店刊  本体418円

楽しく読もう
 夏も終わり近くなりました。ともかく暑くて、大変です。夏休みはどうしてもお出かけも多く、なんとなくざわざわした日が多くなります。少し秋の虫の声も聞こえるようになり、しばらく夜
寝る前に読み聞かせはどうでしょうか。
 一日一話で好評だった本に継いで2が出ました。ぐりとぐらやぶたぶたくんのお話など、創作中心に30話はいっています。見開き1ページで一話、読みやすく読み聞かせに楽しんで読むことができます。千葉市では来週から学校も始まります。少しゆとりのある時間、夜、ぜひぜひのんびりと読み聞かせをどうぞ。「母の友」特選童話集が元になっています。
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「こどもに聞かせる一日一話2  30人の掲載プロフィール
 福音館書店刊 本体1500円+税10%

 森に散歩に行きました。猫がピアノを弾いていてこれから音楽会をするのでちょっと練習しているといいます。いつしよにどお!と言われましたが、楽器を持っていません。そこにウマがやってきていいことを教えてくれました。🎹楽器をつくるのです。次にはタヌキ、リス、カエル、アヒル、ラッコ、ワオキツネザル、ウシ、最後にゾウ、作った楽器で友達を呼んでみんなで鳴らしてみました🎶音楽会はじまり、はじまり🎶取り上げたものはどれでも100キンで手に入るものばかり。千葉市では後一週間で夏休みも終わりです。今、課題図書の作文も自由研究もない、つまんない夏休みでないように、お友達と手作り音楽会、友達に会えなければ、家族で音楽会はどうでしょう。
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「どうぶつたちのおんがくかい がっきをつくろう」
 かがくのとも 9月号 丸山素直さく 福音館書店刊 本体418円+税10%

戦争ってなんだろう?
 戦争って?怒り、悲しみ、憐れみ、時には高慢になり、時には絶望におちいり、あなたにもある。たまって、たまって、心の奥深くに、人知れずふくれあがって、爆発する。知らないままに狂気のままに、ふくれあがる。自ら独裁政権に抵抗した文学者の詩、静かな心の叫び、「戦争は、何も聞かない、何も見ない、何も感じない。」と詩人はいう。絵は息子によるものです。
 このコンビで「もしぼくが本だったら」(アノエマ・スタジオ刊)というポルトガルの絵本があります。「もしぼくが本だったらつれて帰ってくれるよう出会った人にたのむだろう」この本もぜひつれてかえってください。
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「せんそうは、」ジョゼ・ジョルジェ・レトリア文
 アンドレ・レトリア絵 岩波書店刊 本体2000円+税

昔話知っている?
 若い人といっても30代の人と話していると、昔話を知らない人が多いのに驚く。知っているの
もメディアででてくるパロディで、とうてい昔話と思えないものが多い。これはますますふえると思う。第一、親に本を読んでもらって育った若い人、統計をとってみないのでわからないけれど、ひどく少ない。保育所や幼稚園で本を読んでもらったという人が一番多い。まして、学校の先生に本を読んでもらったという経験は皆無、(子どもの頃はよくあったなぁ)今はボランティアの人にお話を読んでもらったり、語ったりした人が多い。かくいう私も親に読み聞かせをしてもらった経験はない。ただ祖父母といっしょに暮らしていたことがあったので、時々祖父から昔話を聞いたことがある。祖父の話してくれた昔話は、教科書にのっていた五大昔話だ。したきりすずめは歌付きだった。この本は現代ぽい、あまり土臭くもなく、ある意味ではテキストふう、もちろん標準語、さしえもさっぱりとしている。だから読み手はアレンジして読む、もちろんたくさんの子どもをならべて読み聞かせをするのは、わたしはあまり賛成でない。素朴に読んでやる、これらをもとにして、自分の声で、力で読んでほしい、それはおもいれもなく、聞き手にまかされる。そう、むかしむかしはいつのこと、あるところはどこ?聞き手にまかされる。現代はもっと素朴で良いのだ。よけいなことの説明はいらない。昔話はそれでも十分わかる、わかる面白さをもっている。わたしが祖父に聞いた五大昔話に加えて13話はいっている。ただ普通にひとりひとりに語りかければ良いのだ。その意味では良いテキストだとおもう。
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「むかしむかし あるところに」たのしいにほんのむかしばなし 
竹中淑子 根岸貴子 文  堀川理万子 絵 
徳間書店刊 本体1600円+税

まめぞうって知っている?
 五月に出版されていた絵本でしたがとても夏らしい本なのでもう少しあとでもいいかなと思っておそくな
りました。こんなに長い間暑くなるなんて思ってもいませんでした。とても爽やかな夏らしい絵本です。
 登場するまめぞうマメゾウムシという甲虫の仲間と後ろに描かれています。まめぞうはたったひとりでくらしています。でも同じ虫をみかけたよという話に仲間を探しに大海原に乗り出していきます。途中いろいろなものにであいます。怖い思いもしますがいろいろないきものに出会ったり、不思議なことに出会ったり。切り絵で描かれていて、夏らしい、潮風の匂いがする絵本です。クラゲの大群に出会う場面、嵐のなかもみくちゃになる場面、昔からいるというものたちとの出会い、トビウオの案内でまめぞうは仲間と出会うことができました。
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「まめぞうのぼうけん」いわたまいこ
 BL出版刊 本体1600円+税

江戸の町のはなし
 江戸に鳴り響く時の鐘。こどもたちが遊んでいます。かくれんぼをしていた新吉は藪の中で、鬼のような大きな外国人と出会います。外国人はオランダ人でした。ふたりはすぐトモダチになりました。オランダ人の名前はヤンといい、毎年将軍に会いに長崎からきているオランダ人の一員でした。薬問屋の二階に泊まっていて、戦争で自然が少なくなってしまった祖国を復興させるために、自然を取り入れて大切にしている日本の庭園を見て回っているとのことでした。ヤンの願いで船で見回ることにしました。作者は子どもたちをとおして、庶民の生活を描いています。江戸の町、日本橋付近をたくさんの人が行き交っています。めずらしいものを見ようと人々は押し寄せます。商人の家、街並み、その間を子どもたちの声が賑やかに行き交っています。その様子を画家は丹念に描いています。そして、作者の他の本と共通しているのは、知り合うこと、いっしょに学ぶこと、それが平和につながっていくことを信じて描き訴えていることです。鐘の音が場所と時をむすびます。運河の街、江戸の町、自然が豊かにひろがってそのなかを子どもたちの声がひろがります。とても美しい絵本です。
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「えほん ときの鐘」小林豊
 ポプラ社刊 本体2000円(10%税)

すいぞくかんでは魚たちが
 水族館の生き物たちが病気になったら。水族館にはお医者さんがいます。朝は早くまだ開かないうちに見回りにいきます。それからえさの準備です。あたらしい水槽をつくったりイルカショーの準備をしたり、そこへ飼育係の人からの話があって、様子がへんだという生き物のところへかけつけます。人と同じように病気になります。診断、治療と大変です。なんといっても水の中、生き物はじっとしていません。どうやって診断したり、注射をしたりするのでしょう。そんな様子が描かれています。生き物も苦しがって暴れたりするので、かまれたりしないようにいろいろと工夫します。治療ができるとほっとします。水族館の舞台裏の絵本です。
イルカの熱はおしりの穴で計るとのこと、こうやって生き物を見回るお医者さんの見守りはつづきます。
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「すいぞくかんのおいしゃさん」 大塚美加 ぶん 斎藤槙 え
福音館書店刊 本体1000円+税10%

奥の深い昆布の話

 実をいうと私はいつからだしのもとを使うようになったのだろうか。私は昆布世代?なのだ。両親、祖父母、いっしょに暮らしていた頃、おだしは昆布と煮干しだった。(カレーにも煮干しが入っていた)もちろん最後には、みんな食べた。骨が丈夫になるようにと。この本を読んでひとくちに昆布といってもいろいろあること、口に入るまで(製品になるまで)大変な過程があること、そして、昆布は広く生産されて、私たちの口にはいるまでのことやびっくりしたのは北前船で富山とのつながり、清(中国)に売って莫大な利益を得た薩摩藩と沖縄のこと、今ではヨーロッパにいって料理につかわれていること、驚くことが描かれている。それら以外に料理のレシピが後ろの方にたくさん描かれているのも楽しい。ここで取り上げられているのは羅臼昆布が中心だ。ちなみに私がかって食べていたのは日高昆布だ。また、昆布生活はじめようかな!
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「昆布の本」たくさんのふしぎ 9月号
松田真枝 文 キッチンミノル写真 得地直美 絵
福音館書店刊 本体736円+税10%

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